体の健康と歯の健康の密接な関係

体の健康と歯の健康の密接な関係

歯の健康は、身体の健康である。

歯の健康は、身体の健康である。 人間の生活に最も大切な「食」。これは、「噛む」「飲み込む」といった“咀嚼”と強く結びついています。
人は、食べることで、生きがいや幸せを感じたり、栄養を取ってエネルギーに変えていますが、これは食べるという行為だけではありません。 “咀嚼すること”により身体の健康を維持し、その結果豊かな生活を送ることができているのです。

歯の傷みやぐらつきなどを経験したことがある方は分かると思いますが、物が食べ辛い状況は、精神的なストレスとなり、食欲をもなくしてしまいます。 また、歯が1本痛むだけでも、気分が優れず、神経を集中することが困難になります。

普段当たり前に使っている歯でも、少し不具合が起こっただけで、身体はいうことをきかなくなります。では、この不具合が常におきた場合、どうなるか考えてみましょう。 まず、かみ合わせが悪い状態で長期間過ごしたとします。かみ合わせのバランスが悪いことに、なれて慣れてしまっている場合であれば、普段のストレスとは直接は結びつきません。 ですが、顎の筋肉や身体は知らず知らずのうちにうまくバランスを取ろうとします。すると、身体は常にアンバランスな状態となります。 これに耐えられなくなったとき、肩こりや頭痛といった症状として初めて身体に変化が表れます。

人間の歯は、永久歯が生え揃うと、歯を支える顎の筋肉もある程度の成長を完了し、その後二度と再生することなく、先何十年間の咀嚼を担います。 しかし、どこかで不具合がおきれば、事態は歯だけにとどまりません。咀嚼がうまくできないことから、虫歯や歯周炎、顎関節症ばかりか、余り噛まずに食べものを飲み込み胃の中で消化不良を引き起こす恐れもでてきます。 また、近年の研究結果から、記憶力の減退や学力の低下が発表されています。

このように、「噛む」という行為が減少することによって、社会的、体力的、精神的に様々な悪影響が引き起ります。 普段は当たり前に行なっている“咀嚼行為”は、その日常さゆえに、ほとんどの人が密接に関わっている歯に対しての知識や執着がなく、こうした障害に陥ってからその不憫さに気づくことがしばしばあります。 残念ながら、身体に何かしらの症状が出たときには、既に歯も身体も不健康状態ということになります。

これらのことからも言えるように、歯列矯正を初めとする歯並びやかみ合わせの治療を無視することはできません。 治療期間の長さや、治療費など治療を受けるにあたって出でてくる問題がありますが、様々なトラブルを抱えてからでは、更に負担は膨れあがることになってしまいます。

実際に、治療をして肩こりが治った人、頭痛が軽減した人の例は少なくありません。また、失っていた元気な笑顔を取り戻したお子様もいます。 歯を健康にすることは、身体も心も健康になるということです。健康を維持するためにも、常に歯には気を使いたいものです。

顎関節症とは

顎関節症とは、顎関節に発生する開口時の疼痛や、開閉口時の関節雑音、また開口制限を特徴とする症候群のことをいいます。
顎関節や咀嚼筋の疼痛、関節音、開口障害や顎運動異常を主要症候とする慢性疾患群の総括的診断名であり、その病態には咀嚼筋障害、関節包・靭帯障害、関節円板障害、変形性関節症などが含まれます。